起業するときに助かる!Web制作者が独立するために必要なまとめ

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  • 公開:2014-9-16
  • 更新:2023-10-26
  • 文章量:5011
  • Life

TL;DR

筆者が起業するまでに必要だったことや流れ。今回は簡易的な情報となっていますが、知っておくとフリーや起業前に役に立つことをまとめます。起業から少し時間が経ったので記憶があいまいですが、ざっくりとした流れと気をつけておきたいことをメモしています。

創業前に準備すること

起業前に事業内容と企業理念を決定し、会社案内資料をパワポで作成しておきます。内容は企業理念・事業内容・解決できること・会社概要など。

1.定款作成前

定款作成前に準備しておきたいこと、事務所について調査しておくべきことのリストです。実印・銀行印・角印・ゴム印に関しては司法書士さんに社名の重複がないか調べてもらった後に作成します。

  • 事業所物件候補を見つけたら、不動産屋に連絡
  • 回線がひけるかどうか聞く
  • 改装可能か、どこまで改造出来るか聞く
  • 計画している事業内容で賃貸可能か確認
  • 信用審査があるので待つ
  • 審査 OK でテナント契約
  • リフォーム会社を見つけ見積受け取り、事務所改装開始

2.税金・経費

開業する前の領収書は保管しておきます。税金・経費などの知識は以下を参考に。大体この辺りを読んでおけばよいかなと。

3.会計・帳簿

会計・帳簿関係はこちらを参考に。会計ソフトを扱う場合にも役立ちます。

4.事業計画書/補助金

事業計画書の書き方など。筆者は事業計画書をもとにして、創業補助金の申請書を作りました。創業補助金の申請書は写真や会社のロゴを入れたら見栄えが良くなると思います。Web 制作系だと専門用語が多くなるので噛み砕いて簡潔に書きます。

創業補助金の申請は、応募者の概要、事業内容、本事業の動機、将来の展望、事業の知識、経験、人脈、熱意・・・など記載することが沢山あります。自分で困難だと感じた場合は税理士さんに聞いてみましょう。

5.事務所改装確認事項

事務所を改装するにあたり事前に確認しておきたいこと。一人でやらないといけない場合、他の準備に追われて意外と忘れてしまいそうな部分。

  • 壁紙・床板の取り替え、外の目立つ位置に看板の取り付けは可能か
  • 流し台・トイレなどの設備、排水口、換気扇
  • セキュリティ・鍵の種類>鍵屋さんで詳しく聞きます
  • 外壁にポストの取り付けは可能か
  • エアコンの取り付け前に電気を通せるか確認
  • 事務所が高所にある場合、室外機は窓から取り付け可能か
  • 電気のアンペア数の確認>筆者は入居直後ブレーカが落ちた…
  • 電話回線の場所を確認
  • ネット回線契約・工事日の確認とプロバイダ ID を準備
  • 電話・FAX の回線を分けるか統一するか
  • タウンページに登録するか>勝手に連絡が来ます

6.登記申請に必要な定款の内容

最初に税理士さんに会社設立の相談をしたところ、司法書士さんを紹介してくれました。(税理士さんと司法書士さんはセットの場合が多い)筆者は登記申請を司法書士さんにお願いしました。

商号(※1)・住所・目的(※2)・役員と数・資本金(※3)・株主総会・発起人・取締役任期・公告の方法(官報で OK。HP の場合は公告ページのアドレスまで出来ていないと指定不可)など定款に必要な内容を決めます。定款は会社のルールブックみたいなものです。

※1.商号(会社名)は司法書士さんに重複がないか調べてもらいます。筆者はここで時間を取られるのが嫌だったので司法書士さんに丸投げしましたが、自分で行う場合は法務局で照合します。この後、実印・銀行印・角印・ゴム印を作成します。印鑑に関しては会社印鑑の種類とそれぞれの法的効力の違い:起業のための必須知識 | inQupを参考に。

※2.目的は現在計画しているものだけでなく、今後やっていきたい事業内容も盛り込んでおきましょう。目的は定款の絶対的記載事項なので後々追加したいと思ったら、その場合は改めて登記申請を行う必要があります。

定款目的の例はこちらから検索可能です。司法書士さんに言えば辞書をコピーしてくれます。会社定款目的記載例検索サイト;イー目的ドットコム

※3.資本金は1円からでもできますが、あまり低すぎると会社の信用が得られないそうです。(小話:司法書士さんの話によると実際 30 円で登記した人が、1 か月後に信用云々の関係で 100 万円で登記しなおしてくださいと言ってきたそうです。)

定款認証を受けてから、個人の銀行口座に資本金を入金します。定款認証を受ける前に口座に資本金を入れていても認証後の日付での入金が必要となります。(筆者はそれを知らずに入金し、やり直しさせられました・・・)

7.銀行口座の開設

登記が終わったら会社名義の銀行口座を開設し、個人口座から資本金を移動させます。銀行には定款のコピーや登記事項証明書・会社の印鑑証明・銀行印・運転免許証などを持っていきました。銀行員さんは慣れているので、サクサクやってくれます。

8.ドメイン名を決める

会社用のドメインは「co.jp」。重複がないか調べ、ドメインを抑えたら会社登記情報を仮登録しておきます。法人化した後に本登録可能となります。

9.ロゴ作成と商標登録

作成したロゴデータを作成後特許事務所にて調査してもらい、料金がかかりますが重複がなければ商標登録申請を依頼することもできます。

10.GoogleApps 設定

メーラーを使わなくても、独自ドメインメールを Gmail で使用できるのは便利。勤怠管理や一斉メール送信もできるので導入しておきます。メールにはフッターに共通で入る「署名(会社名・肩書・住所・TEL・FAX・E-mail・URL)」を設定しておきます。

11.サーバの準備と設定

サーバのレコードを設定し、ネームサーバを変更することで GoogleApps、サーバでのドメイン運用が可能となります。ネームサーバーの設定後は数時間~3日は不安定なので、表示されないときがあるので少し待ちます。

さくら VPS がおすすめです。試用期間中は遅くて不安になりますが、契約後当日に高速になります。

12.名刺データ

名刺には会社の住所や電話番号、アドレスが必要なので法人登記やドメイン設定が終わった後で作成することになります。名刺などのカラー印刷物は、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色で刷られることが多いので、カラーモードは「CMYK(光が紙などに反射し、目に届く色)」で制作します。

名刺のデザインを新しくしました | Web クリエイターボックスを参考にさせていただき、名刺の紙質はマシュマロホワイトで依頼。枚数:100 枚、Illustrator でデータ入稿しました。

13.事務所の備品を用意する

どういった備品を用意するかは、個人によると思いますが、こういったものを準備するといいと思います。開業直後は訪問者の方と自社の事務所で打ち合わせする機会も多くなるのでデスク・椅子等・冷蔵庫の什器などは先に用意しておくといいかもしれません。

  • デスク・椅子・会議机・会議椅子・本棚/各数台
  • キャビネット・棚板・パーテーション
  • Nas・無線 LAN・SSD・CPU・PC モニター/各数台
  • スイッチング Hub・ケーブル・打ち合わせ用のノート PC
  • モニターアーム・キーボード(Realforce)
  • ホワイトボード・スクリーン・シュレッダー・プロジェクター
  • オフィスソフト・会計ソフト・adobe CC
  • プリンタ兼用 ラベルシール(住所と名前を印刷する用)
  • 事務用クラフト封筒 角形 2 号
  • RHODIA(NO11/16)・STAEDTLER・STABILO・BIC など書きやすいもの

制作フローまとめ

Web 制作関係で独立する前におさらいしておきたいこと。企画・提案から納品、保守契約までの簡単な流れをまとめます。Web 制作で起業する場合に知っておきたいこと。

14.企画・提案

提案書に必ず書いておきたいこと。実際に提案するときは、ポイントをおさえて簡潔に説明していきます。必要な部分だけピップアップして使います。

15.制作フローの確認

Web 制作の一連の流れ。ヒアリングシート・見積もり・などの書類関係から実際にウェブサイトを構築するときの一連の流れ、制作フロー。

16.コーディングに入ったら

コーディングについてのフロー。仕様書の確認からスケジューリング、マークアップ、CSS、設計全般、WordPress 組み込みまで。

17.ドメイン、DNS、メール設定

独自ドメインで HP と gmail を運用させるまでの流れとメール受信設定、さくら VPS にて WordPress を動かす方法、ターミナルから ssh 接続してからの必須コマンド一覧など受注後必要となる知識。

起業するときに助かる!Web制作者が独立するために必要なまとめ