人生が変わる本!モノの見方も変わるラディカルな本まとめ

今回、ラディカルといっても思想とかではなくて、ここでは単に過激という意味です。去年読んだ本の中に、ものの見方が変わった本があります。
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レトリックと詭弁
口喧嘩になっても、相手のでっち上げたストーリーを信じこんで、簡単に論破されてしまう。そんな人は、これを読んだら、少しは懐疑的になって畜群から脱却できるかもしれませんよ。
レトリックと詭弁での重要ポイントは、相手の質問を鵜呑みにしないこと。
YESかNO、どちらで答えても相手の術中に陥る道筋が引かれている可能性がある。相手の質問に乗る必要はない。
例:カンニングが見つかった生徒が教師に逆ギレするが、教師が返り討ちにする例。
生徒「他にもやっている人がある。要領よくやっているのが得をして、たまたま見つかったものが損をするのですか?」
↓
正解(先生)「それは(要領よくやる人)、君自身のことだ。カンニングをして、労せずに好成績を得るのを『要領よいのが得をしている』と言うんだ。君はそうやろうとして、たまたま失敗しただけだ。他人事のように言うんじゃない」
質問自体に問題がないか、前提がおかしくないか考えましょう。
細谷功さんの、著書「メタ思考トレーニング」の中にも「いきなり問題を解くのではなく、問題そのものについて考えよ」と似たようなことが書かれていますね。思考の整理学の著者、外山滋比古さんも、高次な視点が大切だとおっしゃってます。
他に「自分の主張を、二者択一の中に紛れ込ませる」というのもあります。
主張は直接言うのではなく、二者択一にすると、角が立ちにくい。主張したのではなく、質問したと思わせることで、論証する責任を相手に委譲(いじょう:委ねること)することができる。
✕ それは私欲かい?
○ それは使命かい、それとも私欲かい?
ちなみに麻原彰晃は宗教を立ち上げる前に、みっちり詭弁術を学んだそうな。麻原彰晃の誕生という本の一節に面白いことが書かれてあります。
西山(そっち系のやばい人)は「詭弁術を身につけろ」と麻原に教えた。「たとえば政治家が公約をいつまでたっても遂行できず、国会で追及を受けるとする。そのとき、どうするか。政治家は、この件は将来の国家のため大事なことだから軽率に結論は出せない、と答弁する。そうなると、質問したほうが軽率だということになってくる。詭弁術とはそういうもんだよ」智津夫は大学ノートにメモしていった。
詭弁術を学んで、負け犬人生を変える。
寝ながら学べる構造主義
なぜ、皆同じような行動をするのか?
この本によると、私たちは主体的にモノを見ているわけではないっていうんですね。
この本は構造主義とは何なのかを簡単に学べる本。この本では、構造主義の成立から、主義の骨格などを把握することができる。私たちの考え方は社会集団の条件(民族、国家、学校、政党、家族など)によって決定されている。
構造主義というのは、ひとことで言ってしまえば、次のような考え方のことです。私たちはつねにある時代、ある地域、ある社会集団に属しており、その条件が私たちのものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定している。
だから、私たちは自分が思っているほど、自由に、あるいは主体的にものを見ているわけではない。むしろ私たちは、ほとんどの場合、自分の属する社会集団が受け容れたものだけを選択的に「見せられ」「感じさせられ」「考えさせられている」。
人間の表現は、国や文化によって左右される。
マルクス、フロイト、ニーチェの知的成果が、構造主義に精華されていくところは刺激的。皆が作り出したものが混ざり合って、ネットワークが作られているという。
マルクスの地動説的人間観
人間の個別性をかたちづくるのは、その人が「何ものであるか」ではなく「何ごとをなすか」によって決定される、マルクスはそう考えました。何ごとをなすか、というのは「行動すること」に軸足を置いた人間の見方である、というふうに言い換えることができるかも知れません。
人間は労働を通じて、何かを作り出します。そうして制作された物を媒介にして、いわば事後的に、人間は自分が何ものであるかを知ることになります。
ヘーゲルによれば「人間が人間として客観的に実現されるのは、労働によって、ただ労働によってだけ」です。
「私を直観する」ことは、他人たちの中に投げ入れられた「私」を風景として眺めることによってしか成就しない。ネットワークの中に投げ込まれたものが、そこで「作り出した」意味や価値によって、おのれが誰であるかを回顧的に知る。主体性の起源は、主体の「存在」にではなく、主体の「行動」のうちにある。これが構造主義のいちばん根本にあり、すべての構造主義者に共有されている考え方です。それは見たとおり、ヘーゲルとマルクスから20世紀の思考が継承したものなのです。
イスラーム国 テロリストが国家をつくる時
なぜ、オレンジ色の囚人服を着せてカメラの前で処刑したのか?
残酷な処刑が起きたのはメディアが原因だった?イスラム国が他の武装組織と異なるのは、ソーシャルメディアなどを使って残虐行為をプロパガンダに活用し、ニュースとなるように工夫していました。
ソーシャルメディアを巧みに活用し、残虐行為をスマートな動画や画像に編集して、中東のみならず世界中の視聴者に流している。恐怖は宗教の説教などよりはるかに強力な武器になる。過激な暴力にニュースとしての価値がある。
情報過多の世界では、四六時中メディアが絵になる材料を求めているからだ。それに答えるようにイスラム国は残虐な処刑や拷問の写真や動画を投稿してきた。
過激なものは、人間の好奇心を刺激します。
イスラム国のバグダディを秘密のベールで覆い、神話を作り上げた。神秘性は人々の好奇心を刺激する。ほんの数場面の画像を提供すれば、あとは見る側が好きなように絵を完成させてくれる。
暴力というムチと、生活水準向上プログラム・SNSプロパガンダというアメを使い分けるイスラム国。しかし、制圧地域の住民の支持を得るために政治改革を行い、国家建設をやり遂げてしまったら、それを世界が認めなければならない事態に陥ったら、武装組織が宣言してきたことが照明され、犯罪者でなくなってしまう。
憂国
自殺の前に何を思うのか?
死は怖いものではなくて、美しいと思ってしまった危険な小説。日常生活でそう思うことって普通ありませんよね?だからこそ読んで欲しいのです。
陰影の中に輝くようなエロスと生々しい死。この小説は、三島由紀夫の全てが濃縮されています。
あらすじ
クーデターである二・二六事件から3日目、中尉(30歳)が割腹自殺を遂げる。二人は新婚で美男美女。仲間を討たなければならないと知った中尉は、当日、家に戻り自害した。婦人は・・・。
男の覚悟、女の覚悟。生の未練を残さず、死に対する姿勢が描かれている。憂国は短編集の一つで、三島由紀夫がおすすめする最も力を入れていた小説。この小説を読んだら、二・二六事件の本も読みたくなる。
あと、レトリックが美しくて、「路傍(ろぼう)の人に過ぎなかった男が、彼女の全世界の太陽になったことに、もはや何のふしぎも感じなかった。」という表現は鳥肌もの。
死を感じて、人生を変える。
今世紀で人類は終わる?
ウイルスは作られた?
この本は、トンデモ本ではなくて、ケンブリッジ大学 宇宙論・宇宙物理学教授、宇宙物理学の世界的権威であるマーティン・リースが、テクノロジーが引き起こすかもしれない世界滅亡までのシナリオを述べたもの。近年、世界を滅ぼす要因となるものは核だけでない。
ウイルスのテロについて。
将来、バイオ・サイバー技術の威力は絶大になります。ウイルスを合成できる技術者は世界に数千人いて、ウイルスの情報は簡単にダウンロードできるようですね。
現在、ウイルスの中で一番の脅威は天然痘。天然痘は感染力が高く、いったんかかると3分の1が死亡する。アメリカのショッピングモールで噴霧されたら、最悪のシナリオで、3百万人が感染、100万人が死亡する。潜伏期は12日間。
今後、こういうテロが増えそうですね。あ、もう起こってますね。
日本人の英語
私たちが作る英語は狂っている?
私たちが普段見ている正しい英語は、ネイティブから見るとどれほど狂っているのか?日本人が作った英語を、日本人は真に受けてはならない。
単純に英語の本質を知りたい、と思った人におすすめ。マーク・ピーターセンが、英語と日本語の構成と論理の違いからくる、日本人の冒しやすい間違いを例を出し、日本の英文法書や論文に出てくる、異様で意味不明な英語を、悩ましげに日本語で突っ込んでくれる。結構シニカルで笑いました。
日本の某ビール・メーカーは、最近までスローガンとして次の英語を使っていた。
(※ 87年7まで。その年以降は直された。)YEBISU, THE LEGENDARY CHARACTER, BRINGS YOU A GOOD LUCK
(中略)私にとっては、このスローガンを作った人は一体どういう発想でわざわざ 「luck」 に「a」をつけたのかをどうしても知りたかったのである。概念的な具象の「luck(運)」をどうやって数えるつもりで「a」を入れたのか。「a luck」は「運1個」というつもりで文を作ったのか、私はとても不思議に思っていた。
ネイティブの過激な洗練を受けて、不自然な英語を変える。
チェ・ゲバラ伝
理想のためなら、異国の地で死んでも悔いはないですか?
世界中で愛される英雄チェは、まさにそれが行動原理でした。
この本は正しい革命家の教科書。金銭を受けつけず、承認欲求や見返りを求めず、他人のために行動する人の思考回路は、どのようになっているのか?
裕福な一族に生まれたチェは、なぜ医者の道を捨て、革命に身を投じたのか?
この革命のお陰でキューバの人々は素晴らしい教育を無料で受けられていますし、識字率は百パーセントになり、餓死する人は根絶されました。この本ではキューバで革命からボリビアで死にいたるまでが書かれています。
ブラジル大統領は、チェに対して南十字星勲章を贈った。チェは「この栄誉は自分個人に対するものではなく、キューバ革命およびその人民に対して与えられたものと考える」といった。P288
別れの手紙の一部
ぼくはキューバ革命において、その地でぼくに課せられた義務の一部を果たしたとおもう。党指導員にける地位、大臣の地位、少佐の位階、キューバの市民権を、ぼくは公式に放棄する。法的にぼくをキューバに結びつけるものは、もう何もない。
ぼくは、新しい戦場に、きみが教えてくれた信念、わが国民の革命精神、もっとも神聖な義務を遂行するという気持ちをたずさえていこう。永遠の勝利まで。祖国か死か。P298
ゲバラって、こんな人みたいです。
- 献身的で、捕虜の手当を行っていた
- 医療担当でもあった
- 危険な任務でも、自ら率先した
- 喘息持ち
- 蚊よけの為に、ひげを生やし、嫌なタバコを吸っていた
- キューバでは砂糖の輸出がメイン
- アメリカを嫌っていた
- 生涯、個人的な栄誉を拒み続けた
- 農業国では先進国になれないと悟り、工業化を目指すが道は険しかった
- 夜も眠らず献身的に働く
- 金銭や物資的な報奨を受けつけなかった
- 印税受け取りを拒否していた
- 一旦手にした権力を放棄して、新たな戦列に加わった
- 愛読書は、ドン・キホーテ。影響を受けている
ロマンティシズムって、色んな人の人生を変えるんですね。
ツァラトゥストラかく語りき
ひょっとして、わたしの人生、畜群?
「ツァラトゥストラ」って、キーボードで打ち込んでみてください。一発で打てます?わたしは10年以上コーティングしてきたのに、まともに打てなかった・・・。
それはさておき、畜群の人って「役に立つ」という理由で、勉強したり本を選んだり物を買ったりしますよね。だから自己啓発書とか変な壺を買っちゃう。行動原理が損得とか、効果があるかどうかで判断するとか。
挙句の果てには「なんで歴史の勉強するの?」とか「瞑想ってどんな効果があるの?」「楽しいの?」って聞いてきます。楽しいとか役に立たなきゃ、やっちゃ駄目なんですかね?
「素晴らしいから勉強する」とか「楽しいかよく分からないし、何の役に立たないけどやってしまう」というように利益度外視で行動すると、絶対に人生が充実すると思います。
ニーチェは功利的な人には向かないですが、一度読んでみるといいでしょう。ニーチェのことが全く分からなくても読めると思います。
あらすじ
ツァラトゥストラという人がいて、山奥にこもって悟り、「神は死んだ」と言う。山を降りて民衆に向かって超人になる方法を説く。創られた世界から抜け出して、神を頼らず生きていくには、超人になるにはどうすればよいのか。
人間は、動物と超人とのあいだに張り渡された一本の綱なのだ。人間おける偉大なところ、それはかれが橋であって、自己目的でないということだ。愛さるべきところ、それは、かれが移りゆきであり、没落であるということである。
人間がいかに堕落して、何も考えない生き物なのか語っています。
堕落に気づいて、畜群人生を変える。
戦争プロパガンダ10の法則
僕らの国が侵略される前、敵国が発する言葉ってなに?
戦争における指導者の例が書かれてるけど、企業や組織でも使われている詭弁の法則。
ルイジ・ストゥルツォによると、戦争とは、自陣営の武力または攻撃速度の優越性を根拠として、早期に確実に勝利できると踏んだ側が仕掛けるものだという。
第三のチンパンジーによると、大量虐殺(ジェノサイド)は「武力が高い集団が、武力が低い者の土地を占領する時に起こる」と書かれています。ジェノサイドを防ぐには、武力も必要なのです。
警戒しておきたい、戦争プロパガンダ10の法則リスト。
- われわれは戦争をしたくはない
- しかし敵側が一方的に戦争を望んだ
- 敵の指導者は悪魔のような人間だ
- われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命(大義)のために戦う
- われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる
- 敵は卑劣な兵器や戦略を用いている
- われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大
- 芸術家や知識人も正義の戦いを支持している
- われわれの大義は神聖なものである
- この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である
例えば、近隣の国が領海侵犯して挑発してきたり、上記のようなことを言い出したら危険。侵略される前に、警戒力をつける。
資本論
テクノロジーが発達すると、従業員への搾取が酷くなる?
資本主義社会では、資本家にならないと豊かにはなれません。資本主義では、奴隷から搾取する行為が隠蔽(福利厚生など)されています。今後、テクノロジーが進化していきますが、生産性が向上すると従業員の給料が低下していき、資本家は豊かになります。
今後ますます搾取され続けている従業員は、これからどのように視点を変えて生き残っていくべきなんでしょうか?
資本論は資本主義を科学的に分析した本。思想としてではなく、経済学として読む。富はたくさんの商品の集まりで、資本主義社会では、ニーズさえあれば、なんでも商品になります。
資本主義的生産様式が支配的に行われている社会の富は、一つの「巨大な商品の集まり」として現われ、一つ一つの商品は、その富の基本形態として現れる。それゆえ、われわれの研究は商品の分析から始まる。
資本の増大は、労働者に支払う給料より、彼らが生み出す労働の価値が大きいときに発生します。つまり、従業員が給料以上の労働価値を産み出せばいいわけです。いかに、剰余価値(長時間労働や減給)を増やして搾取するかが、資本を左右します。
経営者は、従業員を独立させないように、一つの業務に特化させたり、福利厚生(オフィスに綺麗なカフェ、ジム、ランチ代無料、マッサージ、休暇制度など)で巧妙に搾取を隠蔽して、従業員は何の疑いもなく「大盤振る舞いな会社だ」「親切だ」と思ってしまう。
コロナの影響で、多くの労働者がテレワークが増えて楽になったと喜んでますが、資本家から見ると無駄なコストを削減できるし人材確保もやりやすい、つまり剰余価値が増えるわけです。
資本家の本質を見抜いて、搾取人生を変える。
理科系の作文技術
仕事で書いた文章は、無茶苦茶だった?
思いつきで何かを書いたときって、見返すと意味が分からないものになることってありませんか?結局何が言いたい文章なんだっていう。
この本は、そういった悩みを解決すべく、仕事で使う文章の書き方が示されてあって、文章のうまさではなく、明快で簡潔な表現方法を学べます。理科系と書いてあるけど、文系でも使えます。
筆をとる前に「いったい読者は、この文章に何を期待しているはずか」と反省して見ること。何を知りたいのかをとことんまで調べ上げ、考え抜くのが先決。
誰が読むのか考える、読者は誰で、どれだけの予備知識をもっているか?
結論を考えて文章を作ること。
このあたりは、ついつい忘れがちになるところ。ブログや論文だけでなく、登壇やトークでも応用できますね。アウトプットを変えて、人生も変わる。
以上、モノの見方が変わって、人生も変わる、ラディカル(過激)なおすすめ本でした。
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